夏休みを利用して簿記始めた。面白い。
簿記は「仕訳に始まり、仕訳に終わる」。
つまり仕訳(しわけ)が分かればこっちのもの。しかしこれが一番わかりにくい。ここで「もういいや」になっちゃうと進まない。
俺なりに理解したのはこう。
まず、簿記はユダヤだかアラブだかの商人が開発した技術で、それが全世界に同じルールで広まったものと聞いた。
てことは普遍性がある。誰が考えても「ああなるほどね」という筋の通った理論がある。何世紀にもわたって残るのはそういうものだ。
ほいで、この簿記は、資産管理のための技術だとも聞いた。つまり、個人が家計簿に書いてたんじゃ正確に管理できないような、例えば
「今いくら現金を持ってるのか」
「売り物はどんだけ在庫があるのか」
をガッツリ管理できる普遍的な理論(セオリー)なわけだ。これを念頭に置いて進める。
まずこれ。簿記の絶対的なルール。
「カネが増えたら左上に書く」
それだけ覚えればいい。
左ってのはいわゆる借方というやつだが、名前なんてどうでもいい。
ポイントは増えるってことと、左ってことだ。
とにかく カネが増えたら左に書く。それだけを頭に叩き込む。
そうするとこうなる。
現金[資産]だの、借方[現金]だの、ウダウダ書いてるのは無視。
覚えるのは カネ (現金)が150円増えた。だから左側に書く。それだけ。
メルカリで商品を150円で売ったと思えばいい。
で、左右は必ずバランスする(同じになる)から、現金の反対側(右側)には売った商品が来る。
メルカリで150円で売れた商品を書く。それがスマホだろうが化粧品だろうが関係ない。全て(商品)と書く。そういうルール。で、もしこの商品が原価100円で仕入れたものだったら、商品にはその原価を書いて、その下に商品売買益が50円を書く。
<カネが減るとき>
これ逆にカネが減るときだったらどうだろう。
唯一のルールは
「カネが増えるときは左に書く」 だったから、逆をとって
「カネが減るときは右に書く」 をすればいい。
こうなる。
カネが減るので右側に(現金)と書く。メルカリで100円で買った(仕入れた)のでカネが飛んでいった、と思えばいい。
仕入れ値のぶんカネが減るので右側に (現金)100 となる。
その反対側(左)には、仕入れたもの (商品)100 がくる。
と、ここで
左にくるのはカネが増えたときだけだろうが!と言いたくなるが
いや
左にくるのはカネが増えたときだけとは言っていない。
たしかに
カネが増えたら左に書く。絶対ルールだ。
しかし、
左に書くのはカネが増えたときだけ、ではない。
カネじゃないものを書くケースもある。
これだけだ。
たぶんこれが、ユダヤの商人が書いた簿記のスタート(原型)だろうと思う。
ところがだ、アタマのいいやつがいて、この(商品)って表現を使うのやめようと思いついた。代わりに(仕入)と(売上)を使おうと思いついちゃったわけだ。
なんでそんなことすんの?はさておき、とにかく
(商品) を使うところを
(仕入)または(売上) に置き換える
これがルールとなった。
カネが入ってくる(売り上げた)ときは、こうなる。
ここでもやはり、カネが増えるときは左に書く。ここは絶対ルールだ。だから(現金)は左側に入っている。
しかしここでポイントなのは、その(現金)の反対側=右側が(商品)じゃなくて(売上)になっているという点だ。
<カネが減るとき>
これが、カネが減るときはどうなっているかというと、こうだ。
カネで商品を仕入れたわけだから、当然カネが減る。
やはり、カネが減るときは右側に書く。絶対ルール。これは常に徹底される。だから減るカネ(現金)は右側に入る。
で、ここでもポイントなのは、その(現金)の反対側=左側が(商品)じゃなくて(仕入れ)になっているという点だ。
たぶん、ここまでが簿記の全てだ。骨格だと思う。
あとは、(現金)だったところがいくつかパターンによって変わるだけ。
例えば、(現金)じゃなくて(売掛金)とかになる。売ったけど、カネは後から回収する(カケ売り)というやつだ。
例えば、(現金)じゃなくて(買掛金)とかになる。仕入れたけど、カネは後で払います(ツケ払い)というやつだ。
売った時の(売掛金)は左側にくる。
カネが増える(けど後から回収するだけ=売掛け)から左。絶対ルールだ。
それで、その(売掛金)反対側には、売り上げた商品を書きたくなっちゃうけど、そこでグッとこらえて、(商品)を(売上)に書き換えるわけだ。
これを応用していくと、例えば
商品を(売掛けで)売り上げた=カネが増えるけど、
そのときに発送費がかかってしまって
現金で支払った
みたいなケースも記述できる。
こうなる。
やはり、売った時の(売掛金)は左側に来ている。
カネが増える(けど後から回収するだけ=売掛け)から左。絶対ルールだ。
考え方(思考の順序メモ)はこれ。
細かくみていく。
売り上げた
→ カネが増える → 左に書く
→ しかし売掛けなのですぐには現金にならない。
→ ①左上(現金)とはかけない。
→ ①左上(売掛金)にしとこう
→ 左右はバランスするので右に150円(②)をいれなきゃいけない。
→ 売り上げたのは商品なので (商品)と書きたいところではあるが…
→ ② そこは(商品)じゃなくて(売上) と書く。
↓ 完成
いやまてよ。さらに発送費20円が現金で出てるじゃないか(③)。
手持ちの現金が20円減っているぞ。これも書かなきゃ。
→ カネが減ったんだから右に書く。絶対ルール。減った額(現金)20円(④)。
→ てことは、その反対側(左)に何か入れないと釣り合わない(バランスしない)
→ (発送費)で入れとこう
これがユダヤ人の考えた思考順だろうと思う。
あとは
買掛金が、支払手形に変わったり
とかパターンはいくつかあるだろうけど(カネの払い方の問題)、基本は変わらない。
・カネが増えたら左に書く。
・(商品)じゃなくて(売上)または(仕入)と書く。
これだけ覚えておけばなんとかなると思う。
小口現金とかすっ飛ばして仕訳から元帳への転記もやってみた。
なるほど。仕分けしたのがこうやって合体されるわけね。
取り出した各勘定科目の
適用欄には相手科目名を書く
ってとこだけクセありそうだけど、それが分かれば簡単にできそうだ。
こうやって資産を管理するわけか。簿記。ほんとよくできた技術だ。面白い。
追記
調べたら簿記の起源はユダヤじゃなくてイタリア商人だった。
広島の日→原爆被害→大量虐殺への反省→ホロコースト→ナチス→ユダヤ、の思考でユダヤが出てきたっぽい。
今年(2021年8月6日)のヒロシマの記録。
平和記念式典の挨拶で、ときの首相が、よりによって「核兵器のない世界の実現」という文章を読み飛ばした。
ありえんでしょ。自分の頭で理解しようとしないというか、戦争の悲惨さと被害に、せめて1年に1回、真摯に思いをいたして反省すべき機会に、国民の代表たる首相が、それを1ミリも何も考えないばかりか、単に原稿として棒読みしよう(すればいい)という認識。
これが唯一の被爆国の首相か。
これじゃ。戦争の地獄に焼かれた人々は浮かばれまい。
言い訳がさらに酷い。
「ノリでくっついてたから読めませんでした」だと。
いやほんと恥ずかしい。幼稚で情けない。恥ずかしいよ。