min117の日記

初期desireもち。趣味Mac,メインFedora,仕事xp。

ペンキ塗りの一大推理小説の犯人を予想する(ネタバレありかは分からない)

f:id:min117:20211220211538p:plain

 

かの歴史的一大文学小説。その題名は「黒いペンキ塗り」に由来するアレ。まだ読んでる途中だけど、最終巻まで来たので、全部読み切る前に犯人を予想する

 

登場人物はイニシャルだけで触れる。完全に自分用のメモ。

 

個人的な、勝手な推理だから、ネタバレになるのかどうかすら分からない。なんせまだ結末まで読んでないんだから。

 

現時点で「裁判前日の監獄でのやりとり」くらいまで読んだ(4巻のP220まで)。

 


 

<犯人予想1>

 RKが犯人だろうと思う。なんせカネに汚い。女性GSとの間で「主人公ARを連れてくれば、見返りにカネを受け取る」なんて約束(3巻P79)を交わしている点からしても、カネへの執着が強いことがわかる。

 

 被害者FDを「金持ち親父」と呼んでおり(1巻P205)、FDが金持ちであることを認識していたのが見て取れる。隙あらばFDを殺してカネを奪おうと考えていたのだろう。

 

 主人公ARに対して「女好き、金儲け、神がかり」罵倒している(1巻P210)が、それは自分RKがそういう意識の人間だから出てくる発想であって、例えば(修道僧の身でありながら)シャンパンを一気に飲み干し、二杯目を手酌で注ぐ態度(3巻P71)を見ても、身を修めようという意識は皆無。俗にまみれ、カネを信奉する態度が一貫している。カネ目的に被害者FDを殺した可能性が一番高い。

 

 被害者FDとその長男DMとの争い(女性GSの取り合い)についてRKは「グサリとやりかねない」と予言している(1巻P207)が、これは、RKがこの2人の争いの結果に見せかけてRKを亡きものにしようと企んでいたことの表れだろう。

 

 そしてRKは、おそらくこの女性GSに本気で惚れていたに違いない。それが分かるのは、例えば、主人公ARが「きみ(RK)は女性GSの親戚なんでしょ?」と勘違いしたのに対し激怒し(1巻P219)「侮辱するのはやめてもらいたい!」と「恐ろしく腹をたてていた」場面。

 ここに「侮辱」というのは、RKの思考から言えば、自分が親戚を好きになるような(当時の価値観で言えばタブーとも言えるような)ことをするはずないじゃないか!(そうじゃない女性に惚れたんだ!)だから侮辱だ!という考えから来ているのだと読める。つまりそれだけGSに惚れていたわけだ。

 

 さらにRKは、やたらと女性GSの化粧のことに触れたがる。例えば「そうめかしこんでどこへ行くつもりなんだい?(3巻P61)」とか、「それじゃあ、そのおめかしは何だい?(P91)」など。これはつまり、女性GSに相当惚れ込んでいて、その容姿が気になって仕方ないということの表れだろう。

 

 そして決定的なのは、女性GSが「たった1時間だけど、本気で長男DMを愛したことがあったと吐露した直後に、RKは「何かにちくりと刺されたような気がした」という場面(3巻P96)。心底惚れている女性が、自分ではない誰か別の男に「本気で惚れた」と言うのを聞いて「ちくりと刺された」気になる。好きな女をとられたことによる強い嫉妬だろうと読める。

 

 そんなRKにとって、GSを取り合っている2人(金持ち親父FDとその息子DM)の両方ともいなくなってくれれば好都合。結果として女性GSは自分のものになるかもしれない考えたのではないか。

 そこでRKは、長男DMの動きをいつも見張っていた。金持ち親父FDと争うタイミングをいつも見計らっていた。そして事件の夜、DMが屋敷に押し入った隙を狙って、それに乗じて親父FDを殺し、ついでに枕元のカネも盗んだのだろう。そして、その罪を長男DMになすりつけて監獄送りにすることで、死んだFDもろとも日常から消し去り、悲しみに暮れる女性GSを(タナボタで自分が)モノにできると、そういう絵を描いたに違いない。

 今のところ(4巻P220まで読んだところ)までで、自分ではそう推理している。

 

※ ついでに、RKは、HF夫人に毒を盛ったのでは?と想像している。HF夫人が、RKと固く握手した直後から足を悪くした(4巻P190)とあるので。これは、FDの裁判で証人になろうとしているHF夫人の口封じを狙ったと見れなくもない。

 

※ 犯行の夜、RKは犯行現場のそばを通ったはずだ。全体の時間軸を追ってみるとこうなる。

RKと主人公ARの2人は、女性GSの家にいた

→ 女性GSの元夫(ポーランド人)が彼女を馬車(トロイカ)で迎えにきた

→ 女性GSはそれに乗って行ってしまった●

→(その後でRKと主人公ARは別れたはず)◆

→ ほぼ同時刻、長男DMが犯行現場にいた。◆

→ その後、長男DMは、●から約1時間遅れで、女性GSの後を馬車で追った

 

この時間軸だと、◆のタイミングで、RKが犯行現場に行くことが可能だ。長男DMが現場でいろいろと(やらかし)している間に、それに乗じて、金持ち親父DMを、RKは殺ったのではないか?とも考えている。

 


 

<犯人予想2>

 犯人はSMFでは。まあ「まずこれはナイ」と思うが、でも可能性としては捨てきれない。風呂場で生まれた癇癪もちの彼。急に口を聞き出した「バラムのロバ」(1巻P331)。登場回数がやたらと多いし、謎が多すぎるが、この男が犯人である可能性は捨てきれない。

曰く

 「神さまが世界をお造りになったのは最初の1日目ですよね。で、太陽とか…は4日目でしょう。だったら世界って、最初の1日目はどうやって光っていたんだろう」(1巻P333)

 「ご自分でお考えなさいよ!GRさん!」(1巻P348)

 「FD様が昨日いみじくも仰っていましたが…○○なんてのは鞭でひっぱたいてやらなきゃだめなんです」(2巻P190)

と、やたらと理屈っぽくてプライドが高い

 

 しかし同時に「湿気た風呂場から出てきたチンケなやつ!」と罵倒されたことを「決して許すことができなかった」(1巻P332)とあるとおり、かなり根に持つタイプでもある。しかも「癇癪は仮病で起こせる」(*巻P***)と発言しており、被害者FDが殺された時にこの男(SMF)が発症していた癇癪も仮病であった(つまりFDを殺したが癇癪のフリをしてアリバイを作った)可能性は捨てきれない。

 その予兆となるのが(殺されたFDの)次男であるIWNと、このSMFとの会話。IWNのセリフ「すべてがまるで示し合わせたみたいに、一度に重なるってのか!?おまえ(SMF)は癇癪を起こし、あの二人は正体を無くし(気を失って)るなどと!」(2巻P322)にあるとおり、被害者DMが殺された夜に、図ったように癇癪になるのは、いかにも怪しい。逆に怪しすぎて犯人じゃなさそうにも思える。

 ただ、SMFの癇癪については「この病気(癇癪)は命に関わるという医師の言葉を、刑事たちがメモした(*巻P***)」というくだりがあったはずで、わざわざ作者がそんな場面を言い添えるということは、逆に、その癇癪は命に関わらないものだった(=医師の誤診であった=それを刑事たちは信じた=SMFを犯人と見落とした)という伏線なのでは?という邪推もできる。そうするとやはりSMFは怪しいのだろうか。

 

 気になるのは、主人公の兄IWNの「しかし…なぜ(おれは)△△に行く、などと(わざわざ)SMFに伝えたのだ?」(2巻P342)というセリフ。△△という地名は、この物語では因縁のある場所であって、このセリフを吐いた次男IWNと、犯人と目されて逮捕投獄されている長男DMとが、事件の直前にニアミスした場所の地名である。その地名をこのSMFが知っていたということは、事件当夜の2人(IWNとDM)の動きをコントロールし、事件をでっち上げる何か情報になっていたのでは?とも想像できる。

 

※ SMFは、長男DM以外で「現場の部屋に入るための合図」を知る唯一の人間なので、その合図で被害者FDを油断させ、部屋に侵入することもできた。その怪しさもある。

 


 

<犯人予想3>

 まずないと思うが、「カネに汚い」「カネに困っている」という意味では、女性GSの元夫のポーランドが、殺人者を送りつけて、被害者DMを殺したのでは?森林売買をめぐって被害者FDとやりとりがあった?ことだし、そこにこのポーランド人が噛んでいた?可能性があるかとも思った。

 ここは時系列を追えていないので当てずっぽうだが、犯行現場の隣町までこのポーランド人がきていたのは、女性GSを迎えにくるためではなく、実は金持ち親父FDを亡きものにして森林売買に一枚噛むためだった?とも考えられる。そうすると、「猟犬」とあだ名される人間の登場が(なんだかやたらもったいぶって)されていたのもうなづける気がする。次男IWNがこの森林売買の土地△△に行かなかった、という伏線も、このへんで回収できるのではないか?と予想。

 


 

<犯人予想4>

 もしかしたらだが、主人公ARの手に噛み付いた子供の父親(二等大尉)が犯人か?彼の惨めな気持ちを、主人公のARは「上の段から見下ろすように」見透かして語って見せていたが、人の心はそんな簡単なもんじゃないし、まして「侮辱された」と感じている二等大尉が、しかし、お金にはとても困っていたわけで、「昼間の200、(一度は断ったが)やはり…ください」と言いにきたところで、プライドの傷つきを思い出し、怒りに任せて犯行に及んだ?とも想像した。しかし、時系列が無理あるような気もするので、この線はまずないか。

 


 

<犯人予想5>

 まさかの、「犯人は主人公AR」説。まあこれはないだろう。なんとなく、上の◆のところで、RKが犯行できるなら、一緒にいて別れた直後のARにも可能なのでは?という気もした。

 心神喪失についてのやたら長ったらしい説明(第4巻)が伏線で、実はARが心神喪失状態で犯行に及んだとか?そう考えると、ARは、◆の時点では大きなショックを受けており(心酔していた老師が死んでしまったうえに、葬儀において事件があったから)、それゆえに心身耗弱していて、無意識に犯行に及んだ?という可能性も、ないではないかもしれない。

 気になるのは、俗世に出たあとの主人公ARの変わりようで、修道院にいたときは女性GSのことを正式名称(AG)と読んでいた(3巻P75)のに、俗世に出たあとはいわゆる源氏名?である「GS」を使って話しかけている(4巻P169)。こういった主人公の変わりようは、事件の前後で明らかで、そこまで人を変える何かがあったとすると、実はそれは犯行だった?という気がしないでもない。

 

続く。

 

 

 

 

 

 

その買うを、もっとハッピーに。|ハピタス