「怒りの葡萄」The Grapes of Wrath(1939)
1933年間からのほぼ2年間。テキサスからカナダ国境に至る大平原には猛烈な砂嵐が吹き荒れて、耕地を一夜にして砂丘に変えてしまった。この天災と、機械化された耕作会社のトラクターに土地と棲家を追われて、オクラホマの農民ジョード一家は、祖父の代から開墾した土地を捨て、毛布と炊事道具だけをボロ車に積み込んで、カリフォルニアへと移住していく。
全2巻、約900ページ。
読むのにほぼ1ヶ月かかった。
この本の解説が書かれたのが1953年9月であることからも名作は(時間の経過に)全く色褪せないことが分かる。
物事の本質が描かれているから、どの時代にも通用するのだ。
ビシビシくるところ多数。
話の背景だけ追えるように登場する街を全てGoogleMapで調べながら読んだ。
出立地、オクラホマ(サリソー)。
この話自体はフィクションだとしても、1930年の飢饉と、同時期の資本の収奪によって土地を追われた農門たちの西方大移動は事実なわけで
彼らの移動がどれほど広範囲だったか
そして、行った先のカリフォルニアが(今に至るまで)どんな土地なのか
確かめながら読むのも(今だからできる読み方だと思えば)また楽しい。