「台湾旅行 温泉」でGoogle検索すると北投温泉ばかり出てくる。水着で入る温泉なんて温泉じゃない。そんなレジャーな温泉にはあまり興味がなくて。せっかく旅をするなら現地の人の生活にできるだけ密着して、その地の文化を感じる場所に行きたい。
よさそうな記事があった。台湾の地元民しか入らない秘湯「紗帽山温泉」。これこれ。こういうのこそ旅の醍醐味。
さっそく向かった。MRTで「石碑駅」まで行き、そこから508線のバスで「行義路三」または「行義路四」を目指す。
「行義路三」は「三」なので(イー、リャン、サン、スー)の「サン」なんだけど。バスの案内を聞き逃してしまい、「行義路四」で降りた。
バス停を降りると遥か下り坂。看板らしきものがあるが…
ほんとにこんなところに温泉があるのか?と思えるくらいの田舎風味。地元感。
しかし、くり抜いたような谷底に降りると…
そこには厳とした温泉があった。
この秘湯感。最高。
受付に入る。
奥が温泉のようだ。
女性スタッフに「Spa Only? or Eating?(入浴のみですか?それとも食事もする?)」と聞かれる。「Spa Only」で回答。
※ ちなみにこの女性は Apple Watch(42mm)をしていた。細い手首にごつい時計だったのでやたら印象が。
入浴のみで250ドル(900円)。ちと高めだが、台湾の地元温泉に入れると思えば全く問題なし。
受付を抜けて温泉に向かう通路には、なぜか爬虫類の水槽。
カエルや電気ウナギが居る(なぜ温泉に…)。この異文化。これぞ旅行の醍醐味。
通路にはどこか「千と千尋の神かくし」のような露天。九份とはまた違った良さ。
温泉のゆる〜い空気が流れる。食事しながら談笑しているのが目に入る。
通路を抜けるといよいよ浴槽。「男大衆池」が男性浴場のようだ。
「預約粥」がとても気になるが…「予約席」のことだろうか?
浴室はこちら。いい感じにしなびた、まさに秘湯。
受付には人の良さそうなおっちゃんが座っている。日本人と一目でわかったようだが、笑顔で迎えてくれた。
入り口ではタオル一枚ででマッサージを受けるサービスが。これも文化の違いか。
泉質は最高。かなり癒される。客は全員台湾の地元民で日本人は一人もいないのに、なぜか日本の民謡(ただし聞いたこともない歌手の)が流れていたり、入り口の看板に微妙に日本語が入っていたり。親日の雰囲気がすごく感じられて居心地が良い。疲れが取れる最高の温泉だった。
帰りに何人もの客とすれ違う。
地元民も癒されに来るのだろう。客足が途絶えなかった。
温泉あがりは、来た時のバス停から石碑駅へ戻れる。時間が合えば石碑の夜市が始まっている。
湯上がりの火照った体にかき氷を流し込む。もうサイッッ高に美味い。台湾クセになりそう。