昨日2017/11/3 にiPhone X が発売され、Apple表参道では行列のできる大人気だったらしい。
しかし、同じ iPhone X であっても au版の iPhone X は 3G通信に対応していない。今はLTE(4G)が主流だから、古い通信方式である3Gはもう不要だという判断らしい。
しかし、そのせいで au(のiPhone7以下)からau(のiPhoneX/8)への機種変更であってもSIMカードが交換になってしまう。
・au(iPhone7以下)… 3G通信できるSIM
・au(iPhoneX)… 3G通信できないSIM(4G専用のSIM)
これはかなり重要なことと思うけど、あまり騒がれていないように思う。SIMカードが交換になる=回線契約が変わるということだから、それまで受けていた毎月割(などの回線に付属していた割引)が受けられなくなるから。実際に泣きを見るケースもあるらしい。
なぜこんなことになるのか。「auのiPhone」と「ドコモとソフトバンクのiPhone」には肌感覚で大きな隔絶がある。明らかに違う感じがする。そのへんをまとめておく。
おおもとの原因は通信方式の違いにある。
・auの通信方式 … CDMA2000
これが、いろいろなところで尾を引いている。以前あった問題をいくつか思い出してみる。
① auのiPhone だと音声通話とデータ通信が同時にできない問題
どうもauの通信方式(CDMA2000)はクセが強いように思う。そのぶん、回線速度が速い(回線を束ねやすい)とか良い点もあるようだけど、後発規格だから(?)か様々なところでクセが顔を出す。最近だと「au系の格安SIM(mineo)だと通話と通信が同時にできない」という形で現れているようだ。
② フレッツ光 から auひかり にするとき光回線の転用ができない
フレッツ光からドコモ光またはソフトバンク光にするときは「光回線の転用」ができるため工事費がかからない(または安く済む)。ところが auだと転用はできないので、工事費がかかる。キャッシュバックとかで実質無料にしている場合もあるようだけど、要は「違う回線方式(W-CDMAからCDMA2000へ)変えるのだから、それなりに面倒な工事が要る」= 高額な工事費がかかる、と理解できる。
何度か「auひかり」を検討したことはあったけど、回線の違いは知っていたから「替えると戻れなそう」という感じがありフレッツ光から変えないで使っていた。そのおかげでドコモ光への転用で最良のバックを受けられた。
やはり根本的なところ(回線方式の違いや、それによって起きた諸々経緯)を知っておくと、あとから何かとトクになると思う。
③ auの iPhoneX では3G通信をサポートしない
今回起きたこと。auの4G(LTE)は全国カバー率がかなり良いのであまり影響は無いように思えるが、カバー率99%と言ったところで超田舎の地方ではまだまだ3Gしか届かないところは、現実問題としてある。だから「速度は遅くてもいいから確実につながってほしい」という安心をとる意味では、3G通信ができる iPhone X(ドコモかソフトバンクのiPhoneX)のほうが安心 というのはある。
④ auの iPhoneX にすると回線契約が変わってしまう(SIMが変わる)
これも今回起きたこと(③と根は同じ)。同じキャリア(auからau)で機種変更するだけなのに回線契約が変わるなんていうのは、技術的にはやむをえないにしても、スマホを契約する側としてはゴメンこうむりたい。影響がいろいろ考えられるから。
例えば
・回線契約の変更によって、それまでの継続割引がなくなってしまう(実際に起きているようだ)
・購入したiPhoneにSIMフリーのゲタを履かせて格安SIM運用にしたくても au専用のゲタを探し回る必要が出てくる(ドコモやソフトバンクのなら同じものが使える)
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とくにこの「回線方式のせいでゲタが違う」というのは、格安SIMを活用する立場からは非常に重要。
現状、値段がこなれた iPhone5s にゲタ「SmartKing X」を挿して月額0円運用しているので相当節約できている。このゲタもauだと使えない。このあたりからしても auにするには躊躇がある。