台湾は日本以上に現金主義なようで、クレジットカードはあまり流行っていないようにみえる。屋台なんかは当然のように現金だ。むしろそれがいいところだと思う。
台湾では、何を食べても美味しい。本当に美味しい。麺1つ食べても、素材の味がちゃんとする。かといって、無味だったり、菜食主義的な食事じゃなくて、肉の旨味、脂のうまみが口の中をしっかりと覆う。
その屋台は、ほとんどが現金払いだ。クレジットカードなんて使うべくもない。ましてや電子マネーなど、見る影もない。
台湾の料理がこんなにも美味しいのは、現金で支払う、現金主義だからだと思う。現金は最強の交換価値であり、お金に名前はなく、誰でも、どこでも使える。屋台では、モノを作ることだけに集中できる。
これが、クレジットカードだったり、電子マネーが進出してしまえば、やらなくていい作業(手数料の支払いだの、パソコンの設定だの)が入り、本業に割くはずの意識が別に向き、味が落ちる。そういうのは端的に出ると思う。
とくにクレジットカードなんて、要らない。カードのような物理的な「モノ」を発行管理するから中抜きの手数料が大きくなるのは目に見えているし。消費者も「ポイント」なんてものに奔走したり、「ゴールドカードのステータス」のような、まるで中身のないものに価値を感じるようになってしまう。そうなったら終わりだ。美味しくなくなる。台湾にだけは来ないでほしいと思う。
他方、QRコード決済だけは少し別と感じる。中国のWeChatPayのように、QRコードで即時決済できるなら、これは便利と思う。カードのような物理媒体はいらないし。屋台それぞれに手数料がかからず、管理も簡単にQRコードでできるなら、そこだけは現金に代わりうる。台湾で今後流行るとすれば、クレジットカードやビットコインのような電子マネーではなくて、QRコード決済だろう。