iOSのアップデート内容は必ず全部読むようにしている。以前はアプリをリリースする側にいて、iOSのアップデート内容が製品と仕事に大きく影響する現場にいたから、そのクセが残っているのかもしれない。
iOS 12.0.1 がリリースされた。「どうせ XS のバグ修正だろう」「自分には関係あるまい」と思っていたら、iPadのキーボードに修正が入っていた。
なんと、一つ前の iOS 12.0.0 になったときにキーボードの".?123"の位置が変わってしまっていたらしい。
実際に見比べてみた。
<iOS 12.0.0 の場合>
<iOS 12.0.1 の場合>
たしかにキーボードの内容が変わっている。冒頭の案内文にあるとおり、12.0.0 になるときにキーボードの".?123"の位置が変わってしまっていたのだ。
よりによってキーボードの配列に手をいれるとは。なんてことをしてくれるのか。これでは、例えばiOSで業務アプリを作っているメーカーは軒並みアプリのマニュアルの作り直しになってしまう。
キーボードのような、どのユーザーも絶対に使う部分に手を入れるのは、環境基盤(OS)を作る側としては、相当慎重になるはずだ。
Appleほどユーザー目線の会社がここを見落とすはずもなく、相当入念に検証したうえで入れ替えたのだろうと思ったら、直後のアップデートで元に戻すという失態。これはつまり、あまり考えもなしにキーボード配列に手を入れたということだろう。
「何かおかしい」「あ、キーボードか!」と気づいたユーザーからの「よりによって、何で123の位置を変えるんだよ!」という苦情で発覚したとしか思えない。
小さいことのように見えるが、こういうのは地味に大事だと思う。ユーザー目線が抜け落ちて、企業の都合(開発者の独断 or ミス)がそのままで製品リリースされてしまった。以前のAppleでは到底考えられない事態だと思う。こういうのが積み重なって、製品の質が落ちていく。
最近は「Appleの終わりの始まり」なんて記事を見かける。なにを大仰な…と思っていたが、案外当たっているかもしれない。