前回メルカリで買った HTC J butterfly(HTL21)。たったの2,000円なのに液晶がものすごく綺麗。さすがは当時のフラッグシップ機だ。
かなり安いなぁと思っていたらバッテリーが思ったよりヘタっていた。まあそれでも、これだけ状態が良いなら全く構わない。むしろ自分でバッテリー交換を試す(スマホ分解)の知見が得られていい。
手順はこのサイト。
HTC J Butterfly HTL21を分解してバッテリー交換してみた
画像入りでコツが解説されている良い記事。これを参考に必要なものをそろえる。
精密ドライバーはこれ。これからも中古スマホの修理に分解に活躍しそう。
パカっと開けるとネジ先が全て手前に立ち上がってくる。モノがかなり良い。なのにたったの606円。Amazon最高だ。
バッテリーはこれ。値段は1,680円しちゃうけど、スマホを直す実験ができると考えれば安いもの。
分解に使えるかなと思ってヘラも買ったけどこれはあまり使わなかった。980円もしたんだけどこれは買わなくてよかったかなと。まあ、失敗は成功の母。
ピンセットも買ってしまった。148円。使えば便利だったかもしれないが、今回は使わないで作業できちゃったので、こいつも買わなくていい。
<作業開始>
まずは裏蓋外し。実はこれが今回の作業のメインと言っても過言ではないくらい難しい。これがうまくいけば7割方作業は成功したと言える。
上記記事ではサバイバルナイフを使ってこじ開けていたようだが、手元にそんなものはなかったので家に転がっているマイナスドライバーを使ってやった。
コツとしては塗装が剥がれて良い一点を決めてそこだけを狙って「最初のスキマ」を作りに行くこと。いろいろな場所を試してしまうと塗装が剥がれまくってせっかくの筐体が汚くなってしまうので。今回は充電口の横を犠牲にした。
「最初のスキマ」さえ出来れば、あとはできたスキマを少しずつ広げて行くことで裏蓋を開くことができる。間違っても手でバリバリと無理やり開かないこと。
中には端子があって、無理やり開くと傷つけてしまうおそれがあるから。慎重に、スキマにねじ込んだドライバをクリクリと回転しながらスキマを根気よく広げていくと、開けることができる。
この端子は軽く挿さっているだけなので開けるときにポロっと取れるがそれで問題ない(最後に蓋をしめるときにまたハメる)。
開くとこうなる。水色の防水ゴムは取り外さざるをえない。「蓋を閉めるときにもう一回付けられるかも」なんて思うけど、ほぼ無理と思う。
ここでひと工夫。ネジを無くさないように、セロハンテープを裏返しに(粘着面を上に)して紙に貼った「ネジ受け」を用意した。
スマホ本体からネジを取る場所をあらかじめ確認し、対応する場所にテープを用意しておく。
取り外すネジは上記記事のとおり15箇所。
ネジを外すたびにテープにくっつけて行く。これだとネジが絶対なくならない。「仕事は準備8割」とはよく言ったものだ。準備の段階で成否はほぼ決まっている。
絶縁テープが貼られている箇所は、テープをシャーペンの先で剥がして、それからネジを外す。絶縁テープはあとから戻すので取り去らないように注意しながら進める
「VOID(これを剥がすと修理は無効)」とうシールが貼られた小さなネジは、そのVOIDシールを丁寧に剥がしてからネジ山を回す。
マイナスドライバーでコリコリと軽く擦ってやればVOIDシールは剥がれる。
焦ったのは、このVOIDシールの下にあるネジが小さすぎてナメてしまいそうになったこと。
無理やり回さず、精密ドライバーのうちの下段から2つ目、右から3番目を使えばうまくいく。
取り去ったネジは下向きにしてテープに貼り付ける。ピンセット使えば便利だったかもしれないが手作業でもできた。
15箇所すべてのネジを取るとこうなる。どこに挿さっていたネジかが一発でわかるのが最高。作業を間違いようがない。
次はフレキシブルケーブルを外す。
これはハメてあるだけなので、軽いチカラで上に持ち上げるようにすればポロっと外れる。慎重に、3本とも外す。
外したフレキシブルケーブルも、できるだけ外す前の形そのままに、挿さっていた場所に対応するセロハンの位置に貼り付けておく。
フレキシブルケーブルの取り外し作業には(途中までは)SIMカードの取り出し部品を使っていたが、もしかしたら静電気で壊れるかもと思い直し、耳かきを使うことにした。
兼六園にいったときに買った、少し大きめの耳かき。
銀色のカバーを外しにかかる。
カバーをそっと持ち上げて、折り曲がる範囲まで(接着されたのはそのまま外さずに)軽く折り曲げていく。
折り曲げたら、
下にあるケーブルを、耳かきで上にクイっと上げる感じで外す。
持ち上げた反対側は本体にくっついているので、まちがっても強く引っ張らないように。
そしてここが最大の関門。青枠のケーブルを外す。ストッパー(白い部品)を耳かきで引っ掛けて上に向けたうえでケーブルを水平に横にズラす感じで外す。
絶縁テープが貼り付いてやりにくいがあとから戻すので取り去ってしまわないように慎重に行う。
すぐ隣には小さなケーブルがあるが、これも黒いストッパーを上に向けてからケーブルを水平に引く感じで外す。
これに慣れれば、逆サイドのケーブルも同じように外していける。
右下には、二重にかぶったケーブルがあるのでかなり慎重さが必要。白いストッパーの大きい方を外してから、小さい方をはずす。
ストッパーも全てあげ、フレキシブルケーブルを外し、バッテリーを取り外せる直前。
上蓋を取り外しし、バッテリーが露出した。
下部の部品も、スッと持ち上げるだけで外せる。
新しいバッテリーパックと並べてみる。本体のを外して、左の真バッテリーを乗せる。
バッテリーは本体に貼り付いているので、剥がすのは慎重に。
バッテリー上部のビニール部分は本体に強く貼り付いているので
慎重にカッターで切った。
取り外し完了(右)。
新しいバッテリーを乗せた。
フレキシブルケーブルにかぶってしまわないように気をつけながら、新バッテリーをきっちりとかぶせる。
あとは、ケーブルとネジを逆の手順で戻して行く。
要注意なのは、最後に蓋をかぶせるときに、裏蓋のフレキシブルケーブルを挿すのをわすれないこと。
これをやらないと通電テストできないから蓋なしでの通電テストはできない。
裏蓋のフレキシブルケーブルをつけて蓋は完全に閉めないまま通電テスト。一発で起動した。ネジとケーブルをセロハンテープに貼って、完全に元どおりに戻せたのが効いている。
裏蓋を完全に閉めて起動。電池不良による突然のシャットダウンが一切なくなり新品みたいな使い心地。
本体2,000 + バッテリー1,680円 + ドライバー608円 + 分解の経験 = 4,288円。かなり安い。
次回はrootを取ってSIMフリー化を試す。